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2015年07月31日

安保とか集団的自衛権とかについて思うこと。〜あるいは自殺者毎年三万人という戦場について〜

僕は、政治的な信条は特に持っていないし、今の平和を維持するために、「抑止力として武力が必要だ」と言われれば、まぁ確かにとも思うし、「武器を捨てるのが本当の強さだ」と言われれば、それも確かにそうだなぁと思ってしまうような人間です。

だから、どんな政治的な課題も、それが必要なことなのか、最善の策なのかを、理解しようと調べてみても、結局よくわからなくなって、自分の意見としては「何も無い」という結論に至ってしまいます。
ただ強いて言えば、どんな環境に追いやられても、そこで幸せを数えて生きていくだけだという、信念だけは持っていたいと思っています。

そんな奴が、「安保とか集団的自衛権とかについて思うこと」なんてタイトルで、何か書くことがあるのかと思われるだろうけれど、少し気になったことがあるので、やっぱり書きます。

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僕は映画が好きで、よく見ます。というか、よく見ました。過去形です。
学生のころ、漁るようにして映画をたくさん見たのですが、ハリウッド映画の扱うものの中に、戦争や戦争後に傷ついた心をどうにも発散できずに苦しむ人を描いた作品が多くあります。
これらはフィクションが大半ですが、かなり現実的課題を描いていると言われます。
今も、「世界の警察」を自負するアメリカでさえ、戦場で傷ついた心を抱えて生きる元兵士達を癒し、社会に受け入れるノウハウは、確立されていません。

僕には、安保や集団的自衛権が必要なのか不必要なのか、わかりません。
けれど、戦場に人を送るなら、それが例え非戦闘地域であったとしても、その人達が必ず心に傷を抱えて帰って来ることは、容易に想像がつきます。
それがもし戦闘地域なら、身にも心にも、遥かに深い負って帰って来ることは、間違いありません。

戦場に行くだけで、「英雄」として扱い、その後の生活保障など経済的な恩恵を与えるとしても、人の心は、それだけでは決して癒されません。
彼らが癒されないまま生活する中で、自殺を考える人も出るでしょう。社会生活が営めずに、孤立して犯罪を犯したり薬物に依存する人も出るでしょう。
しかし、今の日本の状況を見ると、もしそんな人達が多く現れた時に、受け入れる度量があるとは思えません。
民間の支援団体などはたくさんありますが、国の方針は、自殺も犯罪も社会的孤立も、「自己責任」として処理する方向に進んでいます。

日本では、この20年、毎年毎年、三万人の方が自殺を完遂しています。
この20年で、国民の0.5%の人が自殺で亡くなっているという事ですが、自殺未遂をした人は、恐らくその十倍、心の中で自殺を考えたという人は、一体、何倍になるでしょう?
「自殺を考えたことがある」という人が身近にいるのは、もはや国民の当たり前な感覚にすらなってしまっていて、それに麻痺してしまってはいないでしょうか?

このような現状の中で、実際に派兵された後、帰って来た人たちのケアをどうするかという議論が、建前としてすら行われていない状況には、どう考えてみても、危機感を抱いてしまいます。

こんなことを考えていたら、次のような記事に出会いました。

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(インタビュー)イラク派遣のストレス 元自衛隊中央病院精神科部長・福間詳さん:朝日新聞デジタル http://www.asahi.com/articles/DA3S11863701.html

何が正解かは、僕には到底解りません。
けれどもし、国防を優先課題にする必要があるのであれば、それを担う人たちのケアをどうすべきかという議論は絶対的に必要です。
また、もし国防が優先課題で無いのであれば、年間2兆円の経済対策より、年間三万人の自殺者対策の方が、遥かに優先されるべき課題だと思います。
1998年から2000年までの年平均GDP損失額は2兆5480億円。1998年から2010年までのGDP損失額の累積は約13兆4000億円に達しているのですから。

<追記>
2015.8.4
タイトルと行間で伝わるかと思ったのですが、あんまり伝わってないみたいなので、追記。

「国民の生命と財産を守る」ことが国防の目的なら、自殺者対策が国防の最優先課題なんじゃないかって事です。



<参考リンク>
自殺対策関係予算案 - 内閣府 http://www8.cao.go.jp/jisatsutaisaku/yosan/
1 自殺者数の推移|平成25年版自殺対策白書 - 内閣府 http://www8.cao.go.jp/jisatsutaisaku/whitepaper/w-2013/html/honpen/chapter1-01.html
自殺のGDP損失は1兆円=国立人口問題研が推計| 中央調査報 | 中央調査社 http://www.crs.or.jp/backno/old/No553/5532.htm
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posted by わけい at 21:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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