私は、テロ行為が路上犯罪よりもむしろ投票行動のほうに似ていると主張したい。

本書の分析から導かれた主たる論旨を簡単にまとめると次のとおりである。
(1)世論調査でしばしば見られることは、政治的暴力やテロリズムに対する支持が、教育水準が高くかつ世帯収入も高い人々の間でおおくなっていることである。
(2)テロリストは、彼らの出身母体となる人工全体に比べると、教育水準が高いという傾向があり、かつ貧困家庭出身である傾向は少なくなっている。
(3)国境を越えて行われるテロ活動を見ると、国際テロリストは市民的自由が抑圧され、かつ政治的権利もあまり与えられていない国の出身者である傾向が強くなっている。
(4)ある国の一人当たり所得や非識字率は、その国出身の国際テロリストの人数とは無関係である。
(5)テロリストは、全体主義的体制で抑圧的な貧しい国を攻撃するよりも、市民的自由や政治的権利が多く与えられている裕福な国を攻撃する可能性が大きい。
(6)距離は重要である。すなわち、国際テロリストや外国人反乱者は近隣諸国出身者が多いという傾向がある。
(7)一般的な手法を用いるテロリストは、テロ活動に対する恐怖感を広げ、彼らの望む効果を得るためには、メディアを必要としている。
私見ではあるが、政府関係者は実証的根拠を持たないならば、特定期間にテロリズムが起きるという亡霊を持ち出すようなことはすべきではない。二〇〇九年にはアメリカで政権交代が起きることによって、テロリズムに関する一般の議論がもっと事実に基づいたものになり、恐怖に基づかないようになることを望みたい。
なかなか考えさせられました。
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