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2014年12月13日

あかちゃんのおへや(松谷 みよ子 (著), 岡本 半三 (イラスト))

「あかちゃんのおへや」という絵本があります。


あかちゃんのおへや (児童文学創作シリーズ)

とても切ないお話なんですが、子どもが好きで、寝る前に時々読みます。

子どもには少し難しいようにも思うのですが、命の大切さ、人が死ぬということ、母子家庭の問題、反戦、性教育、子どもの心と親の心、人が人を思いやる気持ち。。
1976年に出版された本ですが、短いお話の中に、今の日本人が忘れかけている大切なものが、たくさん詰まっています。

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この絵本の主人公「ひろこ」は、お母さんのお腹の中にいる時に、お父さんが戦死してしまった女の子。

近所のお友達にはお父さんも、そして弟という赤ちゃんもいて、とても幸せそうですが、ひろこはそんな中で寂しさをこらえて生きています。

そして、お母さんに、自分にも赤ちゃんが欲しい、と訴えるのです。

お母さんは、ひろこに、赤ちゃんを連れてくる方法を伝えるのですが、いつもこの下りを読むと、僕は涙が溢れてきます。


「だれでもねえ、おんなの ひとの からだの なかには、あかちゃんのおへやが あるの。そこにね、あかちゃんは ねむっているのよ。」
(中略)
「ねえ、おかあさん、そのあかちゃんを はやく つれてきてよ、はやくよう。」
「でもねえ、あかちゃん、ねむって いるんですもの。」
「おきなさい、って いえばいいよう。」
「おきなさいってね、いえば いいんだけどね。」
おかあさんは、いいました。
「それには きんいろの ちょうちょが いなくては いけないの。 その ちょうちょが、あかちゃんのおへやまで、ひらひら とんで いって、あかちゃんのむねに そっととまると、あかちゃんは めをさますの。とっくん、とっくん、そのとき はじめて あかちゃんの いのちが うごきだすのよ。いままで ねむっていた あかちゃんが、おててをうごかしたり、あんよを うごかしたり するように なるの。」
「わかった! じゃあ きんいろの ちょうちょを つれて くれば いいのね。そうしたら あかちゃんが おめめをさますのね。」
「だめなの。」
おかあさんの ほおに、なみだが つうーっとすべりおちました。
「その きんいろの ちょうちょは、しんだ おとうさんだけが もって いらっしゃるの。だから……。」
(後略)


これ以上的確な、性教育と人が死ぬということの意味を込められる文章は、他に無いのではないだろうか?

反戦のメッセージ、一人の人が、戦場で亡くなった後の家族のリアリティを噛み締めながら、いつか戦火で燃え尽きた街の夕日を眺める。

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posted by わけい at 12:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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